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Hutzper Magazine

【イベントレポート】VC×3期目スタートアップ 累計5.4億円調達の軌跡と展望を語る!

目次
  •  登壇者紹介
  • フツパーの事業紹介と将来構想
  •  VCから見る投資先としてのフツパー
  • Q&A / ディスカッション
登壇者紹介


ANRI株式会社
ジェネラル・パートナー
鮫島昌弘氏

東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修士課程卒業後、総合商社、技術系ベンチャーキャピタルを経てANRIに参画。独立系ベンチャーキャピタルとして合計約387億円規模のファンドを運営中。2022年1月より脱炭素特化型「ANRI GREENファンド」を設立。JST STARTプログラムやNEDO STS等の認定を受けながら、全国の大学や研究機関発の技術をもとにしたディープテック領域のスタートアップを支援。 主な投資先はCraif、GITAI、Jij、Jiksak Bioengineering、QunaSys、ソナス等。


グローブアドバイザーズベンチャーズ
パートナー
秋山友紀氏

2006年 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
2007年 UBS証券会社入社
2008年 ヘッジファンドのSpeedwell/ Nezu Asia Capital Managementで、アジア株と日本株のアナリスト・ファンドマネージャーとして、企業分析・株式運用に携わる。2011年からシンガポール、2013年から香港オフィス。
2017年 東京に戻りMillennium Capital Managementに入社。引き続き日本株のポートフォリオマネージャー。
2019年 より早い段階から経営者に近い立場で投資がしたいと思い、スタートアップへの投資を始める。グローブアドバイザーズベンチャーズ パートナー。
2022年 BuySell Technologies 社外取締役


フューチャーベンチャーキャピタル株式会社
島田崚平氏

2014年に株式会社キーエンスに新卒入社し、法人営業・営業戦略立案・人材育成等に従事。
2019年にフューチャーベンチャーキャピタル株式会社へ入社し、投資、投資先支援、ファンドLP対応等を担当。早稲田大学卒。


株式会社フツパー
代表取締役
大西 洋

広島大学工学部卒業。新卒で日東電工に入社し、ICT部門の法人営業に従事。退社後はWebサービスを開発、イスラエルで起業を試みるも失敗。その後工場向けAI/IoTベンチャーの事業開発グループリーダーを経て、2020年4月にフツパーを設立。

● フツパーの事業紹介と将来構想

フツパーの事業紹介

(大西)
 それでは改めて、フツパーの事業及び会社概要について、お話させていただきます。  弊社は2020年4月設立の大阪本社の会社で、主に製造業向けの検品・検査の自動化AIサービスを提供しています。現在、社員数としましては37名で、その内正社員が18名、残りがアルバイトインターン生を含めた合計となっております。創業から現在まで合計3回の株式による資金調達を実施していまして、今回3回目でシリーズAにあたるラウンドの調達を実施いたしました。
 次に、弊社のメインサービスである、外観検査AIソリューション「メキキバイト」についてです。メキキバイトは、製造業向けの検品・検査の自動化を、弊社がカメラ設置〜AI構築、運用後のサポートまでをワンストップで提供しているパッケージ商品です。

目の部分に関しては、まずカメラ設置後お客様の画像データをいただき、弊社でカスタマイズしたAIモデルを構築して、それをエッジデバイスに実装し、カメラや照明、治具とセットで現場に設置し、流れてくる製品を連続で判定していく形になります。
さらにAIの判定結果を閲覧できる画面も提供していまして、セットで使っていただくことによって、その日いくつ良品不良品が出たかの統計データを見ることができたり、お客様の方で不良画像を分類できるような再学習に必要な機能等が搭載されています。
 そして今後の事業展開についてです。今は検品・検査という一部工程の自動化に特化したサービスを提供していますが、そこから判別後に不良品を排除するためのエアジェットやロボットアームを用いた除去機構の追加をできるようにしていき、自動化可能な範囲を広げていきます。その先は、歩留まりを上げるための不良の要因特定のデータ分析や、PLC内のパラメータ解析や現場のハードウェア機器との連携を強化していくことで、製造工程全体の最適化を目指していきます。そして最終的には、0から工場を建てる時に、人がいる前提ではなくてAIやロボットで最適化された設計の工場にして、そこの無人の工場全体をまるっと弊社で提案できるサービス及び会社にしていきたいと考えています。

シリーズA資金調達戦略
これらの将来構想を実現していくためにも、この度シリーズAで総額約4.2億円の資金調達を実施いたしました。弊社ではこれまで創業翌月のシード、昨年1月のプレシリーズA、今回のシリーズAの合計3回で累計5.4億円を調達しました。3回ともリードの投資家はANRIさんです。
また、今回のラウンドはほとんどの既存投資家にも追加投資いただけたのと、新たに5社の新規投資家に入っていただいた形で実現しました。たまたまですが、今日参加のANRIさんがシードから、グローブアドバイザーズベンチャーズさんがプレシリーズAから、フューチャーベンチャーキャピタルがシリーズAから参加いただいているVCです。
後ほど、それぞれの立場から色々なコメントをいただきたいと思います。
資金の使途については、大半は採用・組織の拡大に使っていきたいと考えています。今年度で正社員30名、来年度末にあたる2024年3月には正社員50名規模まで拡大予定なので、まだまだこれから大きくしていきたいと思っています。これまでは拠点は大阪のみでしたが、今回の調達のプレスと同じ8月1日に新たに関東支社も立ち上げましたので、今後は関西だけでなく関東でも積極的に採用を行っていきます。

採用以外のところで言うと、広告宣伝費と研究開発費でそれぞれ1億円程度を使っていく予定です。これまでほとんどマーケ費をかけずに営業活動を行ってきたのですが、今後は全国的に展開していく上で展示会出展や製造業に有効なWebマーケやブランディング施策をやっていくのと、研究開発に関しては、検品に特化したフツパー独自のアルゴリズムを開発したり、画像分野以外のAIソリューションも含めた新たなプロダクト開発に投資していくことを考えています。あらゆる職種で採用を行っていますので、ぜひ興味のある方は弊社のサイトからお問い合わせいただければと思います。

● VCから見る投資先としてのフツパー

最初の出会い、投資のきっかけは何だったのでしょうか。 

(鮫島)
確か最初はオンラインで大西さんと面談をして、どこやフツパーってところからの始まりでしたね。あの時は創業間もない時期でしたので、まだプロトタイプ等があった訳でもなく、創業3名のチームと何をするかしか決まっていない状態でした。
そんな中で、フツパーが当初から言っていたこととして、AIの研究開発を目指す会社ではありませんということがあって、いかにすごいAIモデルを作るかということよりも、画像処理等の既存の技術を組み合わせて、とくかく現場で使えるサービスを作るという、良い意味でAIにこだわりが無い点が良いと思っていました。いわゆる大手向けのPoCに近い形で事業を進めていくAIスタータアップは他にも多くありますが、フツパーなら真に人手不足で困っている中小や地方の製造業に対して、本当に価値のあるプロダクトを提供できると感じました。

元々どんなスタートアップを投資先として見ていたのですか?その中でフツパーに興味を持った点はどこだったのでしょうか?
(島田)
 どんなスタートアップを見ていたかという所からお話すると、我々は社会課題解決、言い換えるとSDGsやソーシャルインパクトを軸としたファンドを運営しておりまして、そういった切り口で企業さんとコンタクトをとっていました。
 フツパーに興味を持った理由は、将来の在り方とかは色々議論の余地があるかと思いますが、これまでの歴史と現状においては製造業が日本の基幹産業です。そして、その9割を中小企業が占めているという中で、彼らの人材不足や生産性向上といった課題を抜本的に解決しようというフツパーに大きな社会的価値と意義を感じて興味を持ちました。

今の市況もふまえて、どのような観点で投資されたのでしょうか。
(秋山)
フツパーの特徴は、自分達が言ったことをしっかりとやり切る点だと思います。
私はこれまで上場会社の事業計画を見ることが多かったのですが、スタートアップの事業計画を見るようになってから、”計画通りに進まないのが当たり前”くらいの世界だということが分かって、最初は驚きました。
そんな中、フツパーは1期目からこれまで着実に計画通りに事業を伸ばしてきて、有言実行してきたので、その点は大きく評価をしています。あと、経営が非常に堅実というか、ケチなところがあり、ただそれだけ集めたお金を大事に使っているところもあるので、スタートアップ市場がこれだけ厳しい市況になったとしても、生き残っていけると感じました。

島田様にお伺いしたいのですが、新規投資家として、今回どういった判断、プロセスを経て投資に至ったのですか?
(島田)
 評価した点に関して端的に申し上げると、マーケットポテンシャル、絶妙なポジショニング、経営チームのバランスの良さの3点を評価させて頂きました。
 マーケットポテンシャルについてはご存じの通り、中小製造業マーケットは大きな市場機会があります。ポジショニングに関しては、AI導入の余地でいうと、まだまだ大手のマーケットも十分余地があり、普通に考えれば単価が高い大手マーケットに行きますし、わざわざ手が掛かる割に単価の低い中小マーケットに入ってくるプレーヤーはいないのですが、そこのポジションを敢えて取り、そこで勝ち抜ける戦略/技術力を持っていると判断しました。
 経営チームについては、わりと口数少なめで飄々としたCEO大西さん、口が立つCOO黒瀬さん、職人肌のCTO弓場さんの創業チームのバランス感はもちろん、最近はどっしり安定感のあるCFO高木さんをはじめとした大人人材/プロ人材も増えてきて盤石になりつつあります。また、展示会にお邪魔した際に、役員以外のブースに立たれてたメンバーの方々が、何なら大西さん以上に、会社やサービスについて非常に熱量を持って語られていて、質問に対する引き出しも多く、丁寧にご説明を頂いた時に、ちゃんと組織全体に色んな事が浸透出来ていて、また社員の主体性も垣間見えて、いい会社だなぁと思いました。

今後のフツパーに期待すること、もっと頑張って欲しいところは何でしょうか。
(秋山)
せっかくいい会社なのにフツパーがあまり知られていないのがとても残念に感じていて、もっとたくさんの人に知ってもらえるようにPRに力を入れていってほしいですね。あとは、上場後も成長を続けられるような組織づくりを、今の段階から意識して、取り組んでほしいなと思っています。

今後のフツパーについて、本パート全体を通してコメントをお願いできますでしょうか。
(鮫島)
これまで日本で、いわゆるテック系の銘柄で、時価総額1,000億円を超えるようなスタートアップは出てきていないんです。フツパーにはまずは時価総額1,000億円を目指して欲しいと思っています。さらに、上場後も伸び続けてキーエンスを超えられるようなところまで目指して、時価総額1兆円を超えることを期待しています!

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