2023/01/20
山田裕太郎 / 研究開発本部 プロダクト開発部 部長
福井県出身。新卒でシマノに入社し、電動変速機のファームウェア開発を担当。退職後は自作センサの開発等に取り組み、2021年2月より当社に参画。主にwebエンジニアとしてアプリケーション開発を担当する傍ら、AIモデル構築も経験。2022年8月に設立された関東支社に初期メンバーとして転属。
前回のインタビューから1年半、関東支社に拠点を移し、プロダクト開発部長になった山田さんに、改めてプロダクト開発の現状や山田さんの役割などをお聞きしていきます!
前回のインタビュー記事はこちら
関東支社では、どんなお仕事をされているんですか?
実は大阪本社にいた頃と、仕事内容はそんなに変わっていないんですよ。僕は大阪にいる時から、フツパーが提供しているAIの運用を管理する専用アプリケーション「Hutzper Insight」の開発など、web系の開発業務を担当していたんですが、関東支社に移っても引き続き、そういった仕事を担当しています。
「Hutzper Insight」の開発秘話はこちら
関東支社に移ってから取り組むようになったのは、大阪本社で蓄積されているノウハウを支社に連携することですね。本社から支社に移ったエンジニアは僕1人だけなので、支社で採用されたエンジニアが、必要な情報の保存場所やプロジェクト全体の進め方など、本社で蓄積されている様々なノウハウを知らないということも結構あるんです。そういった場合には、僕がフォローをしたりしています。
どのような経緯で、山田さんが関東支社の初期メンバーとして東京に移ることになったんですか?
希望すれば誰が行ってもOKという感じだったので、自分から手を挙げました。僕は大学時代から7年半くらい大阪に住んでいて、今まで関東で仕事をした経験が無かったので、この機会に関東で仕事をしてみるのも楽しそうだなと思ったんです。
あとは、社内で「関東支社は、これから立ち上げで、今後どうなるか分からない部分もあるし、いろいろ出来る人が行った方が良い」という話になったというのもありますね。普通のweb系の会社で働いているエンジニアと比べると、フツパーのエンジニアってすごく仕事の幅が広いんですよ。ソフト面では機械学習の知識だけじゃなくて、AWSの知識とかも必要になってくるし、ハード面ではカメラを選定したり、治具を作ったりもするので。
そんな背景もあって僕は今まで器用貧乏に幅広く仕事をしていたので、そういう意味では適任だということになり、希望通り関東支社に行けることになりました。
最終的には、今関東支社長をされている営業の萩原さんと山田さんのお2人が関東支社に移ることになったんですよね。
支社設立当初はどのような感じでしたか?
もともと関東のお客様からの引き合いは少しずつ増えてきていたので、完全にリードが0の状態からスタートしたわけではなかったんです。なので、今まで大阪本社から遠すぎてフォローが難しかった企業を中心に、萩原さんが商談を進めていきました。
そこから案件が確定するまでの間、僕自身は引き続き大阪本社で行っていたweb系の開発業務に取り組んでいたという感じですね。
そこから少しずつメンバーが増えていったんですよね。
実は関東支社での案件が増える前から採用は始めていて、支社設立の早い段階で優秀なマネージャー層をビジネスサイド・エンジニアサイドの両方で採用できていたんですよね。
関東方面の展示会に出展し始めた頃からは、無事に案件も増えてきて、営業が上手く回るようになってきました。それに伴ってエンジニアサイドの仕事ももちろん増えましたが、今はまだ支社全体の雰囲気は「死ぬほど忙しい」という感じではないですね。
なので、新しく採用したメンバーのオンボーディングやフォローなどに十分時間を取れているので、状況的には悪くないなと感じています。
山田さんご自身の忙しさはどうですか?
web開発のボリュームがかなり増えているので、僕自身は今めちゃくちゃ忙しいですね。
僕の本来の部署は、「メキキバイト」の現場案件を担当するAIエンジニアリング部ではなく、新規サービスの開発や既存サービスの改善を行うプロダクト開発部なので、いろいろ幅広くやっていた創業期に比べると現場案件に関わる機会は最近減ってきているんですけど、さっきお話した「Hutzper Insight」をかなり個別開発しないとAIが導入できないというような案件だったりすると僕が担当する場合もあります。時々、中部地方など、少し離れた地域に出張に行くこともありますし。
普段、出社とリモートワークの比率はどれくらいでお仕事されていますか?
僕は出社とリモートが半々くらいですね。
ずっと家にこもって画面を見ていると結構どんよりとしちゃうので、週の半分くらいは出社するようにしています。人と喋らないと頭が回らなくなるような気がして…。Web会議で喋るのも何か違って、やっぱり対面で話したくなるんですよね。
フツパーの社員は、そういう人が多い気がします。
AIエンジニアリング部はオフィスにある機材で実験することも多いので、プロダクト開発部よりも出社する頻度は高いですが、やろうと思えば週2回くらいはリモートワークできると思うんです。でも、フツパーのエンジニアのほとんどが出社して仕事してるので、やっぱりみんな、対面で話す方が好きなんじゃないかなと思います。
プロダクト開発部は大阪本社と関東支社にまたがってメンバーがいますが、そういう意味では大変なこともありますか?
やはり、大阪本社でメンバー2人だけでやっていた時に比べると、コミュニケーションは取りづらくなりました。対面で会って話す方が、情報共有のスピードも速いですし。
なので、大阪にいるプロダクト開発部のメンバーとは、こまめに情報共有の機会を設けるようにしています。週1で定例ミーティングをして、部内での周知事項を連絡したり、社内から上がった要望をもとに「Hutzper Insight」の仕様変更について相談したりします。
あと、2週に1回くらいの間隔で「振り返り会」というミーティングも行っています。これは、直近2週間の自分の仕事を振り返って、良かった点や悪かった点を話す会です。例えば、「最近ちょっと不具合が多い」という意見が振り返りの中で挙がったら、今後不具合に対してどのように対処していくかを話し合って、「テストを強化する」「お互いにレビューする」といった改善案が出る、という感じですね。
あとは「最近Hutzper Insightを社内でどんどん活用してもらえてて嬉しいね」とか「やっぱり部内の人手が足りないような気がするね」とか、ちょっとした懸念や軽めの雑談のような会話も大事にしています。
これからプロダクト開発部にどんな人が加わって欲しいですか?やはりスキル面が重視されるんでしょうか。
そりゃもちろん、スキルが高くて優秀な方に入社していただけたら嬉しいですけど、やる気とスキルのどっちが大事かと言われたら、やる気の方が大事かなと思っています。技術に関しては知っている人が教えれば何とかなると思っているんですが、やる気とか仕事に対する姿勢とか、熱意の部分を社内教育とか外部の働きかけで変えるのは難しいと思うので。
IT業界未経験の状態からプロダクト開発部で活躍できるようになるのは難しいかもしれないですが、例えば「Hutzper Insight」の開発で用いるフレームワークの使用経験がある方などは、やる気があれば、あとは何とかなるんじゃないかなと思います。
あと、これは個人的な意見なんですけど、エンジニアは「技術力」よりも「お客様と話をする力」の方が大事だと思っています。お客様に対して、延々と自社の製品やサービスでは何の技術が使われているかという話をしても、多くのお客様にとってはどうでもいいことなんですよね。だから、難しい技術の話が出来るよりは、お客様の視点に立って話が出来るということの方が重要だと感じますね。
なるほど。では、フツパーのプロダクト開発の強みは何だと思われますか?
それこそやっぱり、お客様の視点に立って話が出来る、優秀なエンジニアが揃っていることですかね。
フツパーでプロダクト開発に関わっているエンジニアの中には、フリーランスを経験しているエンジニアも多いんですよ。高い技術力を持っているにも関わらず、難しい技術の話を全く持ち出さずに、お客様に対してわかりやすくプロダクトの話が出来るんですよ。そこは、めちゃくちゃ強いと思いますね!
そもそもフツパーのエンジニアは他社のエンジニアよりも、お客様と会話する機会が多いんです。
僕自身、前職で働いていた時は、一度も名刺交換をしたことがなかったというくらいお客様と接する機会は皆無でした。それに対して、フツパーではお客様の現場に頻繁に足を運んで、お客様の要望をヒアリングしています。
というのも、AIプロジェクトにおいては、お客様自身がどういうAIが欲しいのかを明確にイメージ出来ていない場合も多くて、そういった要件定義をある程度こちらで行っていく必要があるんです。そういう時にはエンジニアでありながら一部営業のような役回りをこなすこともあるので、お客様と話をするスキルに関しては、他社と比べても全体的に非常に高い水準なんじゃないかと思っています。
今後、プロダクト開発部として取り組んでいきたいことはありますか?
「メキキバイト」の案件が増えるのに伴って、それを支援するアプリケーションである「Hutzper Insight」の機能追加についても、お客様や社内からの要望がどんどん具体的になってきているんです。なので、まずはそういった要望をひとつひとつ実現していこうと思っています。
あとは、「メキキバイト」だけでは解決できないようなニーズにも取り組んでいく必要があると考えています。
例えば、少量多品種生産のものを外観検査したいという案件では、AIをたくさん作らなくてはいけないんですが、そうなるとお客様の予算で実現が難しく、成約できないという場合も結構あるんです。そういった課題を、プロダクト開発部として「Hutzper Insight」を改善することで解決できれば、できる案件の幅が広がりますよね。なので、「Hutzper Insight」の付加価値をどんどん上げて、フツパーのサービスで実現できることを増やしていきたいと思っています。
今後の山田さん自身の目標は何ですか?
お客様から「フツパーのAIを導入して本当に良かった!」というお声をたくさんいただけるように、プロダクト開発に取り組んでいくことです。
フツパーのビジネスの流れでは、プロダクトが出来上がるのは一番最後なんですよ。
まず営業がアプローチするところから始まって、お客様のご要望を伺いながら、それぞれの現場に合ったAIを作っていくのがフツパーのやり方なんですね。でもベンチャーって知名度もないし、AIを導入して効果が出るかわからない状態からのスタートなので、最初のうちはお客様から良い反響をいただけないことも多いんです。
なので、たくさんのお客様に「導入して良かった」と心から思っていただける、より良いプロダクトを作れるように、これからも頑張っていこうと思っています。