~社内資料を自ら調べ、集計・報告書作成まで~
株式会社フツパー(以下「当社」)は、社内の機密情報を外部に出さずに活用できるローカルLLM「ラクラグ」を大幅にアップデートし、2026年11月1日より正式に提供を開始します。保守契約をご利用中のお客様にも、順次ご提供を開始します。今回のアップデートにより、ラクラグをAIが社内資料を自ら検索し、表やグラフまで確かめ、データを集計し、Excel・Word・PowerPointなどのファイルとして仕上げるAIエージェント機能を追加して再構築しました。従来通り社内のサーバーで完結する構成を選べるため、機密情報をクラウドに送ることなく、自社のセキュリティ方針に沿って生成AIを日々の業務に取り入れられます。
■開発の背景
企業の情報漏えいは大型化が進んでいます。東京商工リサーチの調査によると、2025年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故の対象人数は3,063万人分にのぼり、前年の約1.9倍となりました(※1)。2026年も、上場企業による100万件以上の大型漏えいが10月5日時点ですでに10件発生し、2025年通年の6件を上回っています(※2)。また、情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」[組織]では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選出され、3位となりました(※3)。生成AIの業務利用が広がるなか、「AIに何を渡すか」も情報管理の対象となり、機密資料を社外に出さないことが、AI活用を検討する際の前提になりつつあります。
当社は2025年6月、社内ネットワーク内で動作するローカル型生成AIとしてラクラグの提供を開始し、技術文書や契約書など、社外に出しにくい情報の活用を支援してきました。一方で、現場からは「資料を探せるだけでなく、集計や報告書づくりまで任せたい」という声が多く寄せられていました。資料を探して答えるだけでは、業務を終えるまでに人の手作業が残るためです。今回のアップデートは、この「探す」と「仕上げる」の間を埋めることを目指し、仕組みから見直したものです。
※1 「2025年 上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査|東京商工リサーチ TSRデータインサイト
※2 上場企業「個人情報漏えい」、過去最悪ペース ~ 100万件以上、2026年はすでに10件の異常事態 ~|東京商工リサーチ TSRデータインサイト
※3 「情報セキュリティ10大脅威 2026」|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
■アップデートのポイント
便利になったこと
1. 人が調べるように、AIが資料を確かめながら答える
AIが質問の意図に合わせて社内資料を探し、回答に必要な情報がそろっているかを確認します。情報が足りなければ検索条件や探し方を変えて調べ直し、表や図、数値を含む資料は、該当ページの内容まで確かめたうえで回答します。
今回のアップデートでは、資料を検索して回答する従来の仕組みから、AIが必要な手順を判断し、検索・確認・集計を進める「AIエージェント」へと進化しました。質問や資料に応じて複数の検索方法を使い分けるほか、専用の隔離環境でプログラムを実行し、複雑なデータ集計/情報抽出にも対応します。資料を探すだけでなく、得られた情報を業務に使える形にまとめるところまで支援します。
2. Excel・CSVのデータを正確に集計
売上表や検査記録などの表データについて、合計・件数・絞り込み・並べ替えや複数シートをまたいだ集計を、チャットで指示するだけでAIが実際に計算します。文章から推測した数字ではなく、原本のデータから直接計算した数字を返します。
3. 成果物をそのままファイルで受け取れる
集計表はExcelやCSV、報告書はWord、説明資料はPowerPoint、配布用はPDFとして作成し、そのままダウンロードできます。コピー&ペーストで資料を作り直す手間がかかりません。
4. 調べた内容が、チームの知見として残る
AIに調べさせるたびに、調査の中で分かった原因・対策・用語などが、出典つきで「知見」として記録されます。たとえば、熟練者が時間をかけて突き止めた不具合の原因も、これまでは本人の頭の中や個人のメモにしか残りませんでした。これからは、AIで調べた時点でチームの共有財産になり、別の担当者が似た質問をしたときの手がかりになります。「資料に記載がない」と分かったことも記録されるため、同じ調査をゼロからやり直したり、同じ空振りを繰り返したりせずに済みます。使うほど社内のナレッジが育ち、チームで探す時間を減らせます。
安心して使えること
5. 機密情報を社内で完結
お客様の社内に設置したサーバー上でAIを動かす構成に対応しており、クラウドに情報を出せない企業でも利用できます。要望に応じて、AWS等のクラウド上に専用サーバーを構築して利用することも可能です。
6. 企業で使うための管理機能
資料ごと・グループごとに閲覧・編集の権限を設定でき、誰がどの操作をしたかを記録する監査ログも備えます。AIが計算のために実行する処理は、ほかのシステムから切り離された環境で動くため、社内システムへの影響を抑えられます。
7. 新しいAIモデルにも、管理画面から切り替え
自社サーバーで生成AIを動かすには、AIモデルごとに細かな設定の調整が必要です。当社はモデルごとにメモリ使用量と応答速度を実測し、動作を確認した設定を「レシピ」として同梱しています。管理者は管理画面でレシピを選ぶだけで、新しいAIモデルを導入できます。AIの進化に合わせて、専門知識がなくても最新のモデルを使い続けられます。
8. 準備の負担が少なく、最短即日で利用開始
高性能GPUを搭載した専用サーバーとラクラグをワンパッケージで提供するため、準備の負担はほとんどありません。納品後は、機器の設置・社内ネットワークへの接続・アカウント発行・資料のアップロードを経て、最短即日で使い始められます。PDF・Word・Excel・PowerPointに加え、スキャンした紙の資料や画像も文字を読み取って取り込めます。
■想定する活用シーン
- 試験記録・不良記録のとりまとめ:散らばった試験報告書や議事録を横断し、経緯・原因・対策を日付順に整理してWordで出力
- 過去の類似トラブルの検索:不良報告書や設備点検記録から類似事例と原因・対策を示し、初動の確認ポイントを根拠付きで提示
- 試験データの比較・集計:報告書の試験条件とExcelの測定値をもとに比較表を作成
- 設計変更の経緯の確認:設計変更通知やデザインレビュー議事録から、変更の時期・理由・判断の経緯を確認
- マニュアルからのチェックリスト作成:書式の異なるマニュアルや通達から、出典付きの点検チェックリストを作成
- 社内規程の問い合わせ対応:規程集や通達をもとに、該当条文とあわせて回答
■今後の展開
当社は今後も「最新テクノロジーを確かな労働力に」のミッションのもと、セキュリティを重視したAI製品とDXサービスを追求し、機密情報を扱う企業の現場でもAIが確かな力となる環境づくりを目指してまいります。
■製品情報
- 製品名 :ローカルLLM「ラクラグ」
- 提供開始:2026年11月1日
- 提供対象:新規導入のお客様、および保守契約をご利用中のお客様
- 価格・販売形態:専用サーバーとソフトウェアのワンパッケージ(買い切り型)。構成により個別見積もり。会社ごとのカスタマイズにも対応
- 製品ページ:https://hutzper.com/raku-rag/
なお、本リリースには将来の見通しに関する記述が含まれています。これらは現時点での判断・仮定に基づくものであり、実際の結果と異なる場合があります。