「従業員の成長・幸せがお客様の幸せ・企業成長の源と認識し追求し続けます」を経営理念の一つに掲げ、従業員一人ひとりが明るく働ける職場づくりに取り組むトヨタモビリティパーツ株式会社様(以下、同社)。その茨城支社では、ChatGPTを活用してスキルパズルを発見し、物流現場の人員配置を改善。その結果、配置にかかる業務時間を約70%削減しながら、属人化を解消し、従業員のワークライフバランス向上を実現。システム導入の推進に関わられたお三方にお話を伺いました。
本事例では、製造現場における人員配置の最適化・自動化をDXでどのように実現したのかをご紹介します。
供給管理部 仕入供給G
熊岡 様
物流事業部 物流企画G
小林ハイアット 様
物流事業部 商品センター
黒澤 様
導入の背景
企業理念を体現するDX推進
同社の経営理念の一節には、「従業員の成長・幸せがお客様の幸せ・企業成長の源と認識し追求し続けます」と明記されています。また、茨城支社の方針でも「明るく、働きがいのある職場をつくること」を目指しています。
スキルパズル導入は、まさにこの理念を実現するための取り組みでした。
部長からの明確なミッション
茨城支社では、部長から「AIで人員配置を最適化できる仕組みを探してほしい」という明確な指示がありました。求められたのは、誰が担当しても効率的かつ属人化を解消できるシステムでした。
ChatGPTで人員配置最適化AI「スキルパズル」を発見
その要望を受けて、熊岡様はChatGPTを活用してツール探索を開始。「やりたいことや理想をもとに検索した結果、スキルパズルが答えとして出てきた」とのこと。
「ChatGPT経由でお問い合わせいただいたのは当時初めてで、社内でかなり盛り上がりました」(フツパー担当者)
要望との高い適合性を確認
インターネットで詳しく調べた結果、熊岡様は「これは部長の要望にぴったり合っている」と確信。すぐに問い合わせをすることを決めました。
初回のWeb商談では、システムの機能だけでなく、導入後のサポート体制についても詳しく確認されました。
「最初のWeb商談で『最後まで寄り添ってきてくれますか』と聞いた記憶があります」(熊岡様)
現場への導入を見据え、長期的なサポート体制の充実度を重視していたことが伺えます。
導入前の課題
アナログ運用による属人化と負荷の偏り
- Excel・ホワイトボードでのアナログ管理
3エリアのリーダーが20-30分かけて配置を作成 - 属人化の問題
ベテランの頭の中にしかスキル情報がなく、計画を立てられる人が限定されている
計画を立てる担当によって、配置結果にばらつきが生じる - 連続作業による負担の偏り
同じ作業が毎日続く従業員から「この作業、毎日はしんどいんだよ」という声
導入プロセスでの課題と克服
現場からの反応と主な懸念点
何度か細かい要件の打合せを実施し、満を辞してトライアル開始。しかし開始当初は、特にベテランメンバーから「前のExcelの方が良かった」という声が上がりました。
- 一画面で全員を見られない(誰が出勤で、誰が休みなのか)
- 画面をスクロールして自分を探すのが手間
- シフト画面の細かい設定ができない
「20-30代の方は『新しいシステムが来たな』という感じでしたが、ベテランの方々は長年の慣れもありますし、抵抗感は確かにありました」(小林ハイアット様)
現場を説得した「メリットの可視化」
黒澤様をはじめリーダーを中心に、現場の声を丁寧に拾いながらこのシステムを利用した場合の従業員側のメリットを伝えていきました。
- スキルの見える化:誰がどこまでできるかがわかるように(今まではリーダーだけが把握してる状態)
- 連続作業の解消:「毎日同じ作業はしんどい」という現状がなくなり、負担の偏りが解消
「抵抗感のあった方に『(このシステムで計画を作ると)今までのような連続した作業はなくなるし、体も楽になる』と伝えると、『それはいいね』と言ってくれました」(黒澤様)
「現場のマネージャーからは、全部今まで通りにこだわらなくても、スキルパズルでできることに合わせて現場を変えるという考え方もあるよねという意見も出ています」(小林ハイアット様)
スピード感のある開発とサポート体制が決め手
現場で使える機能対応開発のスピード感と手厚いサポート体制が、導入決定の大きな要因となりました。
「(サポート体制は)最高レベルだと思います。『こういう機能にならないですか』という要望に対して、数日で機能が実装されるスピード感がすごい」(小林ハイアット様)
「うちの希望に沿ってシステムも改善してくれたりとか、これなかなかないですよね。うちに寄り添ってくれてやってくれているというのが、本当にありがたい」(熊岡様)
導入効果
定量的効果|配置作業時間70%削減
・配置作業時間:30分/日 → 10〜15分/日に短縮(1日あたり15〜20分の削減を実現)
導入前:3エリアのリーダーが、20-30分/日をかけて配置作成
導入後:一度自動配置で作成して、修正する作業のみ。それぞれ5分程度で完了
定性的効果|属人化の解消と波及効果
1. 属人化の解消
- 配置担当者の頭の中にあった情報を全て可視化できたことで誰でも業務可能に
- 急な休みや将来的な人事異動にも対応可能な体制を構築
- 連続作業の偏りが解消し、「同じ作業はしんどい」という声がなくなった
「今までリーダーの頭の中にあったものを全部アウトプットしてシステムに入れているので、配置担当がいなくてもツールの操作さえできれば1日の作業が始められるようになった」(小林ハイアット様)
2. 社内外への波及効果
全社的にDX推進にとても熱心な同社。社内報でスキルパズル導入を紹介したところ、視察に来た他支社の社員から「これは使えそうだ」という声が続々と。他支社のご担当者様も紹介いただき、導入検討が進んでいます。
「先日は自動車メーカーの部品供給に関わっている他社さんも視察に来て、『うちでも使えそうだね』『コールセンターでも活用できそうだ』という声を聞きました」(小林ハイアット様)
DXで目指す未来
従業員のエンゲージメント向上
同社茨城支社様が目指すのは、経営理念に掲げる「従業員の成長・幸せ」の実現です。
「DXを進めて、今まで残業3時間やっていたのをゼロにできれば、早く帰って好きなことができる。それが会社に対するエンゲージメントにつながり好循環になる。DXは手段、目的は従業員のエンゲージメント向上や幸せにつながればいいなと思っている」(小林ハイアット様)
「支社長がとてもDXに積極的。課題解決がDXでできるなら、どんどん取り組んでいこうという方針で、情報収集や視察なども進めている」(熊岡様)
業務効率化によって生まれた時間を、従業員一人ひとりの働きがいや私生活の充実に充てる。まさに「明るく、働きがいのある職場」の実現に向けた取り組みです。
スキルパズルへの期待
1. 実績に応じた日中の配置見直し
WMS(倉庫管理システム)等とデータ連携し、当日の出荷実績等の進捗に応じ、途中で配置を自動で見直せる機能。業務配分の見直しや生産性向上につなげたい。
2. スキルマネジメント強化
- 従業員の成長記録・スキルを可視化
- 研修参加候補者の選定や人事評価への活用
更なるフツパーとの協創へ
「うちの会社の問題点とか課題とか全部解決してほしい。現場主義の企業だからこそ、フツパーさんでなんかいいシステムないかなと。DXパートナーとして他の課題も相談に乗ってもらっているところ」(熊岡様)
まとめ
現場主義のDX推進
今回のスキルパズル導入は、茨城支社が目指している「明るく、働きがいのある職場をつくること」を実現するための重要な一歩となっています。
働き方の多様化など変化し続ける現場と密に連携・協力を得て、フツパーの二人三脚で実現した持続可能な体制の確立です。
形だけのDXではなく、「業務効率化」と「従業員の幸せ」を両立させる、まさに現場主義のDX推進事例と言っても過言ではありません。
業界のDXリーダーとして
インタビューを通じて特に印象的だったのは、みなさまが楽しそうにわきあいあいとした雰囲気で、DXにチャレンジされている姿勢でした。
ChatGPTを駆使してツールを探索し、現場と対話を重ねながら課題を解決し、さらに他支社への展開も積極的に進める。その前向きで柔軟な姿勢は、まさにDXの本質——テクノロジーを手段として、人と組織をより良くする——を体現しています。
物流業界におけるDXリーダーとして、トヨタモビリティパーツ茨城支社様の今後の活躍に、大きな期待が寄せられます。